勢(shì)いか面目か
　　「ここまできて負(fù)けたら何にもならない。當(dāng)然、二番とる（決定戦）のつもりで行く」と闘志を燃やす千代の富士。旭富士も口數(shù)こそ少ないものの、「一回で決めたい。思い切っていくだけ」ときっぱり。いよいよ千秋楽結(jié)びの一番に持ち込まれた?jī)?yōu)勝戦爭(zhēng)い。主役の二人は同じ東の支度部屋で、早くも決戦に向けて火花を散らし合った。この日の取り組みは両者とも優(yōu)勝への執(zhí)念があふれ、存分に持ち味を出した。
　　まず千代の富士。小錦には四連敗中だったが、「突っ張られて負(fù)けてるから」とやや遅くたって懐に飛び込み、がっぷり右四つ。上手投げで揺さぶり、相手の上手を切ると休まずに巨體をかぶった。
　　その直後、旭富士が土俵に上がった。北勝海には昨年初場(chǎng)所、夏場(chǎng)所と、これまでに飼い優(yōu)勝?zèng)Q定戦で敗れ、橫綱昇進(jìn)の夢(mèng)もつぶされている。そんなプレッシャーにより、「勝つ」という気迫が上回った。
　　突っ張り合いから、北勝海が頭を下げて出るところを、左に回りながらうまく相手の右手を手繰った。（旭富士）「タイミングがよかった」にだけ、北勝海は前にばったり。
　　そして千秋楽の直接対決へ。「後半戦は自分の相撲が取れてる」と調(diào)子を上げてきた橫綱と、二場(chǎng)所連続優(yōu)勝と橫綱昇進(jìn)の夢(mèng)実現(xiàn)に向けて「それほど重圧はない」という大関。過(guò)去の対戦成績(jī)こそ、29勝5敗と橫綱が圧倒している。だが、旭富士には勢(shì)いと「負(fù)けても決定戦」の強(qiáng)みがある。
　　この二人。63年初場(chǎng)所の千秋楽結(jié)びの一番で、まったく同じ展開(kāi)で優(yōu)勝をかけて対戦。この時(shí)は旭富士が買って初優(yōu)勝を飾った。