◎解説の角度〔人権問題〕
　　●現(xiàn)代社會(huì)では、人権の紛爭(zhēng)が多発している。表現(xiàn)の自由や信教の自由のような古典的な人権でも、子どもポルノやインターネット上の差別発言の問題、あるいはカルト教団の反社會(huì)的な行為など、問題は新しく、既成の人権論では社會(huì)的に満足のいく解答にたどりつけないものが多くなっている。他方で、目まぐるしく変化する現(xiàn)代社會(huì)では、次々と新しい人権が主張されるようにもなる。
　　●そのなかではとくに、外國(guó)人の人権、子どもの人権（→「子どもの権利條約」）、女性の人権が注目すべき新しい展開を示している。それらの特徴的なトピックスは、「現(xiàn)代用語(yǔ)」として記録されるべきであろう（→「連帯のための市民契約」→「犯罪被害者の意見陳述権」）。
　　●それと同時(shí)に、現(xiàn)代の人権紛爭(zhēng)は、紛爭(zhēng)解決の手法に関する紛爭(zhēng)でもある。かつては、裁判所を人権の擁護(hù)者と決めて、そこにおける紛爭(zhēng)解決を期待していたが、こうした憲法裁判、人権裁判のスコアはあまり芳しくない。いつしか市民は、裁判所以外の手法で自分たちのトラブルを解決するようになった。今日では、逆に裁判所が「市民の裁判所離れ」を気にしている。そこで、人権の保護(hù)のための社會(huì)的な制度とその動(dòng)きにも注目しておきたい（→「人権オンブズマン」→ 「國(guó)內(nèi)人権機(jī)関」）。
　　●また、日本の人権問題は、決して國(guó)內(nèi)だけの問題ではない。人権條約への加盟、人権政府報(bào)告書の提出などを通じて、國(guó)際社會(huì)は日本の人権問題にも強(qiáng)い関心を示している（→「未批準(zhǔn)の國(guó)際人権條約」）。二一世紀(jì)、人権問題を扱う際には、常に國(guó)際社會(huì)の反応を意識(shí)しなければならなくなるだろう。この點(diǎn)も要注意である。
　　●最後に、人権の運(yùn)動(dòng)がある。人権ＮＧＯの活動(dòng)も日本の人権問題の構(gòu)成要素である。人権の教育・啓発、あるいは人権侵犯事件の処理などでも、政府、自治體と人権ＮＧＯの共働が期待される。二一世紀(jì)に向けて、明るい展望をもちたいものである。
　　▲外國(guó)人・難民の人権〔人権問題〕
　　◆外國(guó)人の指紋押捺〔人権問題〕
　　外國(guó)人登録法は一年以上の長(zhǎng)期滯在者に指紋押捺を要求していて、外國(guó)人を潛在的な犯罪者扱いするものとして批判されてきたが、一九九二（平成四）年三月に外國(guó)人登録法が改正され、在日韓國(guó)・朝鮮人などの永住権者について廃止された。九五年一二月一五日の最高裁判決でこの制度の合憲性が確認(rèn)されたが、九九年にすべての外國(guó)人について廃止となった。
　　◆アムネスティー(amnesty)〔人権問題〕
　　正規(guī)の在留資格を失っている外國(guó)人在住者に在留資格を復(fù)活させること。アムネスティーとはもともと受刑者の恩赦、大赦の意味であったが、最近は前述の意味でも使われる。日本の出入國(guó)管理法にはアムネスティーの制度がないので、一度「不法滯在」になると合法在留に戻る道がなく、不法滯在が発覚して國(guó)外退去になると一定期間は再入國(guó)できない。つまり、一度落ちた不法滯在の谷底から這い上がる道はないのである。日本の不法滯在者は減少傾向にあるが、一九九九（平成一一）年現(xiàn)在でも二七萬人弱は滯在すると公式に算定されており、実數(shù)はこれを上回る。滯在者の中には真面目に働く者が多く、人道上放置できない病人や就學(xué)適齢期の子どもも増えている�，F(xiàn)在の制度ではこういう人々は非合法の生活を続けなければならない。九九年八月には、在留資格の復(fù)活を求めて大量に「自首」する事件も起きている。